FERO 倫理規定

第1条 目的

フィルム エンターテインメント レーティング機構(以下「当機構」という。英語表記「Film Entertainment Rating Organization」、略称を「FERO」と定める)は、映像文化の健全な発展のため、表現の 自由を最大限に尊重し、且つ、社会の要求する倫理水準に適合する映画の制作、上映、配信、販売が確保されることを目的とし、映像に関し、社会の要求する倫理水準に照らし、視聴者に対する年齢制限の必要性を審査し、必要と判断されたものについて該当区分に分類し、「年齢別レーティング区分」を行うこととし、当該審査に当たっての基準、その他、関連事項を規定するものとして、当機構倫理規定(以下「本規定」という)を定める。また本規定は利用する際の取り扱いを明記したものであり、当機構が提供する第1条所定のサービスを利用する場合には、本規定の下記各条項が適用されるものとする。

 

第2条 適用範囲

1.当機構のレーティング審査適用範囲とされる映像は、日本国内で上映されるものを対象とする。2.本編映像データ以外の販促物等については、本規定の対象としない。
 

第3条 該当区分

1.当機構は、映像を「娯楽系」と「教育系」に大別して審査する。2. 当機構に対して、審査を希望する者は、該当区分を指定して依頼を行うものと する。3.「教育系」は、年齢区分を行わないものとするが、 第7条に定める禁止表現を含まないものとし、教育目的に適合するものとする。4.「娯楽系」とは、教育系以外の映像のことをいう。

 

第4条 娯楽系の審査

1. 娯楽系の審査においては、第7条に定める禁止表現の有無を判断し、これらの禁止表現があるものついては、レーティングを与えないものとし、これらの禁止表現がない映像について表現、種類、表現度合を総合審査し、以下のレーティング(年齢別区分)を行う。
 

  • 「全年齢観覧可」  (全年齢対象作品)
  • 「12才未満観覧制限」(12才以上対象作品)
  • 「15才未満観覧制限」(15才以上対象作品)
  • 「18才未満観覧制限」(18才以上対象作品)


2.当機構における前項に定める審査の基準は、別途定める内規に従うものとする。
 

第5条 教育系の審査

教育系の審査は、依頼された審査対象物が第3条3項に定める 区分要件を満たすか否かを審査するものとする。

 

第6条 審査の結果

1.当機構は、その定める手続に従って審査の結果を依頼人に通知するものとする。依頼人は、映像の販売及び使用の際に当機構で審査した該当区分及びレーティング(年齢別区分)マークの表示が可能となる。
2.当機構は、審査対象物が第7条に定める禁止表現を含み、又は、第4条1項区分の判断において、「年齢別区分を与えないもの」と判断する場合及び教育系区分として適合しないと判断する場合は、その理由を書面あるいは電磁的方法をもって依頼人に通知するものとする。

 

第7条 禁止表現

1.定める禁止表現は、問題提起を目的とする場合以外で映像に用いてはならない。
2.定める差別表現は、問題提起を目的とする場合以外で映像に用いてはならない。またこれに限られるものではないが、以下を含むものを禁止表現とする。
(ⅰ)人種・信条・性別・職業・宗教・境遇・心身的条件・生活状態などによる不当な差別的表現
(ii)老人・幼児・身体障害者・精神障害者等の社会的に弱者に当たる人への不当な 差別的表現
(iii)個人・法人及び団体をみだりに誹謗・中傷し、その名誉、尊厳を害する表現
3. 問題提起を目的とする場合での表現であっても、過剰なものや、著しく視聴する者に害を為すものは禁止表現とする。

 

第8条 免責事項

当機構の責に帰すべき事由により精神的及び物理的に損害が生じた場合、当機構の予見可能性の有無に関わらず、当機構は責任の一切を負わないものとする。但し、当機構に故意または重大な過失が認められた場合にはこの限りではない。
 
第9条 顧客情報の取扱い
本規定の利用に関し、原則として当機構は利用者情報を第三者に対して提供しないものと定め、本規定及び当機構のサービスの提供に必要とされる範囲内で取り扱うこととし、その範囲を超えて取り扱わないことを前提とした上で、当機構の関連団体、代理人、またはその他の第三者に処理させることができるものとする。また当機構は、法令、裁判手続その他の法的手続、または監督官庁により、利用者情報の提出を求められた場合、その要求に従うことができるものとする。
 

第10条 届出事項の変更等

1.本規定の利用者は、氏名、電話番号、電子メールアドレス等届け出事項内容に変更がある場合、速やかに当機構に届け出るものとする。この届け出の前に生じた損害については、当機構は責任の一切を負わないものとする。
2.届け出のあった連絡先宛てに当機構が通知をした場合、延着または未達であっても通常到達すべき時に到達したものとみなし、それにより生じた損害について当機構は責任の一切を負わないものとする。
3.届け出のあったメールアドレス宛てに当機構が電子メールを送信した場合には、通信事情などの理由により延着または未達であっても通常到達すべき時に到達したものとみなし、それによって生じた損害については、当機構は責任の一切を負わないものとする。
 

第11条 定義

《利用対象者》
本規定の利用対象者は、本規定を利用する個人及び団体で、本規定の利用を当機構に申し込み、かつ当機構が利用を認めたもの及び本規定を利用した映像を視聴するものを指す。
《解約》
申請時から再編集がなされた場合は、本規定も自動的に解約されます。
《再発行》
解約後も本規定の利用の継続を希望する場合は、速やかに再審査を申請し、再発行の手続きを行うものとする。
《利用期限》
倫理観は時代によって深化、変化するものである為、本規定の利用期限は発行日から10年間と定める。またその期間内であっても社会通念の変化によって期限を再設定する権利を有し、それによって生じた損害については、当機構は責任の一切を負わないものとする。

 

第12条 準拠法及び管轄

本規定と本規定に基づくサービスの契約準拠法は日本法に基づく。本規定に関して訴訟の必要が生じた場合、大阪地方裁判所を管轄裁判所とする。
 
第13条 規定の改廃及び変更
1.本規定(別表も含む)における提供の内容は当機構の都合で随時改廃する権利を有する。
2.利用範囲、手数料等の定めは、当機構の都合で新設改廃する権利を有する。
3.本規定の変更を行った場合、変更日以降は変更後の規定に従うものとする。また変更によって生じた損害について当機構は責任の一切を負わないものとする。
4.前各項の改廃及び変更については、特異な事情が無い場合、電磁的方法等により告知するものと定める。
5.本規定の変更により、本規定利用者がいかなる損害を被った場合であっても、当機構は責任の一切を負わないものとする。
 
〔付則〕
この規定は平成30年6月1日から施行する。
【倫理規定の対象となる表現項目】 別表1
 
※この「倫理規定の対象となる表現項目」は、具体的な行為の禁止を一覧にしたものではなく、従って対象となる表現であっても即座に禁止表現となるものではない。視聴を許可するための年齢別区分を設けることで、広く社会に向けて安心を促すと共に、視聴する者の安全を保障し、他方、創作者の映像における表現活動の自由を担保することを目的とする。但しそれぞれの表現項目には上限があり、度を過ぎた表現・内容等は禁止表現とし、禁止表現を含む映像には年齢別区分そのものを与えないものとする。
 
※審査において、「倫理規定の対象となる表現項目」に含まれる表現が、直接的表現であるか、間接的表現であるか。またそれらの表現を肯定的に表現しているか、否定的に表現しているか。加えてそれらの表現が作品にとって必要かつ必然的かつ自然であるか。そして視聴する者にどの程度の嫌悪感や衝撃を与えるのか等を慎重に吟味し考慮される。
 
 

<性表現>

1.性器及び局部(恥毛を含む)表現。 2.性行為または性行為に関連する抱擁・愛撫等の表現。 3.性的欲求を促進、または性的刺激を与えることを目的としている表現。 4.放尿、排泄等の表現。


<暴力表現>

1. 不快感を抱かせるような出血表現。 2. 不快感を抱かせるような身体分離・欠損表現。 3. 不快感を抱かせるような死体表現。 4. 不快感を抱かせるような殺傷表現。 5. 不快感を抱かせるような恐怖。


<反社会的行為表現>

1.作品にとって必然性の無い大量殺人・暴行を目的としている表現 2.麻薬・向精神薬等の法規制薬物で医療目的以外の不正使用を肯定するような表現。 3.虐待を肯定するような虐待の表現。 4. 違法行為を肯定するような表現。 5.性風俗・人身売買等を肯定する表現。 6.近親姦・強姦などの性的行為の表現。またそれらを肯定する表現。 7.未成年者による飲酒や喫煙の表現。 8.自殺・自傷を肯定しているような表現。 9.不倫を肯定しているような表現。 10. 人身売買等を肯定するような表現。


<言語・思想関連表現>

1.作品にとって必然性の無い、テレビ・ラジオ等の放送禁止用語・差別用語・不快用語に当たる言葉の、直接・間接的な表現。その他、比喩も含み、中傷や蔑称など不快感を抱かせるような用語を用いた表現。2.差別を助長するような表現。 3.実在する人物・国・国旗・人種・民族・宗教・思想・政治団体を批判、敵視、蔑視、非難、中傷するような表現。

 

<補足>

1.上記の倫理規定の対象となる表現項目以外にも、社会情勢の変化等により新たに禁止事項と判断し、年齢別区分を与えない場合がある。